14 組織の存続を妨げるような「問題(リスク)が発生したら」

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今回は、不幸にして組織の存続を妨げるような問題(リスク)が発生してしまった場合の対応策について、基本的なことを述べてみます。

1. トップ・マネジメントが率先して事態の収拾にあたること。

  • いつ、どこで、どんな問題が発生したのか事実情報の収集
  • 誰が、いつまでに、どんな行動計画を取るかの指示(マスコミ等対外的な窓口はトップと担当者に絞る)
  • 放置した場合、あるいは、時間の経過に伴うリスクの拡大の見極め(信用の失墜、財産の損失、人的な損失、賠償責任など)

2. 先ず冷静に、正確な事実情報を集めること。

大きな問題が発生するとパニック状態に陥りがちですが、努めて客観的に事態を観察する冷静さが求められます。
担当者や関係者から憶測や主観的な情報ではなく、正確な事実のみを集めることが、後々の原因の究明と対処のシナリオ・戦略を考える上で大切です。

3. 問題の拡大と副次的問題発生への連鎖を断ち切ること。

問題が発生したときの第一手はリスクの拡大を防ぐことです。当該問題を発生した場所・部位の範囲に閉じ込め、拡大・拡散させないように努めることが大切です。発生した問題から派生する第2次・3次のリスクへの連鎖を防ぎ、組織全体の崩壊を防ぐことも大切です。

4. 社会的責任を負う気概を失わないこと。

問題発生に強い責任を感じると謝罪の気持ちが先に立ち、善後策が後回しになりがちです。特に社会的な批判が強い場合は罪悪感にも駆られ、問題に立ち向かう気持ちが萎えることがあります。
NPOとして社会的責任を負うという気持ちを忘れず、現実から逃避せず、しっかり問題と向き合い最善の解決法を考えるよう自分に言い聞かせるようにします。

5. マニュアルを超えた対応が必要になること。

リスクマネジメントの基本として、問題発生時を想定した「非常事態対処マニュアル」を用意されていて、日ごろから対応の訓練をしていても、ひとたび大きな問題が発生した場合には十分でないことが少なくありません。
トップ・マネジメントは、時々刻々変わる事態に応じて「誰が、いつまでに、どんな行動計画を取るか」の的確な指示を出し、率先して事態の収拾にあたる必要があります。

6. 誠意を尽くす。

問題が発生し、それが会員や取引先・仕入先などに大きな損害や迷惑をかけることになった場合、誠意を尽くして謝罪し問題が発生する以前の状態に戻すよう心掛けることが大切です。
トップ・マネジメントは、問題の大きさによっては自身の進退を懸けて解決に臨む気概が必要です。

7. 賠償責任を果たす。

リスク発生によって他者に損害を与えた場合は、当然に損害賠償をしなくてはなりません。
賠償責任保険で担保される事故の場合、損害保険会社は情実を排し、法律上の賠償責任についてのみ保険金の支払いを行います。
保険会社の事故の査定担当や弁護士などに任せきりにすると、理性のみが査定・合意の基準となり、相手が割り切れぬ不快感を持つことがあります。
損害賠償にも誠意を尽くすことが大切で、必要に応じて自ら話し合いの場に臨むことも大切です。

8.原因を究明し再発を防ぐ。

リスクへの対応処理が一段落したら、再発防止策を講じ、全成員のみならず、必要に応じ、対外的に公表します。NPOは社会からの信頼が全てです。
きちんとした説明責任を果たす責務があります。
同じ問題の再発は社会の評価も一段と厳しくなり、直接的な損害もさることながら、信用失墜も大きく、組織の存続が危うくなること必至です。

重ねて申します。再発防止策を講じ、二度と同じ過ちを起こさぬよう、社会に対して、きちんとした説明責任を果たす責務があります。

 


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