16 成熟期こそ、事業見直しの絶好のチャンス

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NPO法人イー・エルダー

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◇NPOにもライフサイクルの波

NPOが行う社会的事業やサービス(以下、「事業」という)は勿論、普遍性があると自信を持って定め推進してきたNPOの使命(事業目的、理念)さえも、 事業開始から
成長期、隆盛期、成熟期、衰退期へ至るライフサイクルの波を避けることはできません。市場経済ほどの激しい変化はないとしても、全てに例外はありません。

開始した「事業」が計画通りに社会に受け入れられ、お客様(エンドユーザーとそれを支援してくれるお客様を含む)の当該「事業」への期待や要請の高まりに応えて更に活動に創意工夫を重ね、NPOビジネスモデルとして成長・拡大し、事業規模がどんどん大きくなり、やがて社会になくてはならない確固たる信頼が得られます。事業に安定した一定のリズムが生まれ、安定した事業経営ができる時期である成熟期が到来します。

◇成熟期の見過ごせない症状

毎年、実績・成果が拡大し、目標を達成し続ける成熟期を迎えると、これまでの自分たちの努力や成果にお互いが自己満足に浸りがちになります。
いつの間にか競争相手(代替機能のサービスを含め)が出現し、早いスピードで成長・拡大してきていることを見過ごしている場合もあります。
また、大きなゆったりとした社会的ニーズのうねりや変化、急激な行政による制度的な変化も珍しくありません。

ここで、留意すべきは、成熟期は衰退期の始まりでもあるということです。
今まで通りの繰り返しを続けるのではなく、積極的に経営や「事業」を変化させなくてはなりません。ところが、この変化がなかなかできないことも事実です。

成熟期は絶頂期でもあり、「この勢いがいつまでも続くに違いない。うまくいっているものをわざわざ変える必要など無い。」と考えるのは誰でもあたりまえのことです。
しかし、この心理状態は自己を取り巻く環境の変化が見えていない危うい状態でもあります。

◇成熟期こそ、事業見直しの絶好のチャンス

そこで、年度初めに、NPOとしての原点にたって、次のような見直しを行うことを習慣化したらどうでしょうか。

  1. 大きな社会的ニーズの変化、行政による制度の変化の把握
  2. 原点である使命(事業目的、理念)、活動分野は何かの再確認
  3. お客様(エンドユーザー)と支援してくれるお客様は誰かを確認、そこに変化はないか
  4. 事業毎に年度別の実績・成果の傾向を分析して、見通しを図る
  5. 我々のサービスは「心のこもったサービス」と言い切れるか
  6. 「事業」を見直す必要はないか
  7. 我々の使命を見直す必要はないか

NPOにおいて「事業を持続する」選択肢は、「使命と事業・活動分野は堅持しながら、社会的ニーズを解決する新しい事業を起こし、進化を続ける」か、「思い切って使命と事業・活動分野を変え、新しい事業を起こす」かであり、
さもなければ、「社会的使命を終えて、静かにNPOの世界から退場する」ことを銘記すべきです。

 


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