17 IT活用の無限性と限界

イー・エルダーのロゴマーク

NPO法人イー・エルダー

ここから本文です。

 


◇IT活用の無限性、有効性

全国1万7千余のNPO法人のうち、IT(Information Technologyの頭文字で、文字通り情報を扱う技術)を活用しているのは、どの程度でしょうか? 実態を示すデータが手許にありませんが、NPOが事業を進める上でITの活用は不可欠の時代になったといっても過言ではないでしょう。

NPOはその使命を社会に伝え、理解していただく。そして、ご支援いただくことが何より大切です。その具体的な方策として、電子メール、ホームページ、メールマガジン、ネットショッピングなどの機能を活用することは実に有効です。IT活用能力(ITリテラシー)が、決定的に事業成果を左右することも多々あります。また、組織内や外部との円滑なコミュニケーションや確実な仕事の管理など組織運営にとっても非常に有効な機能を果たしてくれます。

例えば、プロジェクトが遠く離れた2か所(九州と東京)で行われている。週に1回、本部と九州・東京の実施スッタフが各々3か所に集まり、電話会議を行う。あらかじめ配布された資料に基づき、出席者が進捗状況や課題・問題点の報告、質疑応答、次週までの実行計画を決める。会議結果をメーリングリストで関係者にすぐ配布。
実行計画に基づきサブリーダーがそれぞれ自分の担当業務の進捗状況をメーリングリストで全員に報告し、プロジェクトリーダーが管理する「進捗状況マスター」に書き込む。
ITを活用することで、時間、距離、情報の限界を克服して、費用、効率、実績など素晴らしい成果の期待できるプロジェクト管理が可能です。

また、マーケティング活動、セリング活動や組織内部の打合せの場面においても、定性的な分厚い文章の羅列よりも、パソコンとプロジェクターを活用して、簡潔な箇条書き、概要図によるプレゼンテーションの方が、理解されやすく、時間もかからず効率的です。

◇ITの限界と挑戦

ITの爆発的革命の恩恵を受けて、私たちNPOにもITの活用、情報の共有化が便利になってまいりました。情報や知識をデジタル化したり、情報検索して新しい情報を入手し、ITの利便性を駆使することにより、どれ程相互コミュニケーション、業務の進捗管理、マーケティング活動、セリング活動に役に立っているか計り知れません。

しかし、本当に価値のある「情報」は、デジタル化できない先見性、ノウハウ、知恵、人間性などの中にこそ存在します。

同じ情報を持ち、同じ技能研修を受け、同じキャリアを積みながら、「あの人なら出来る。この人では無理だ。」ということは日常よくあることです。また、マニュアルに記載がないことやこれまでの経験では予想もしなかった質問を受けた時の、「オブジェクションハンドリングや、チャンスオペレーション」はその人特有の資質としか言いようがありません。
また、NPOのサービスは、マニュアルを超えたサービスが決め手です。「心のこもったサービス」の提供は、NPOの生命線のひとつです。このように利用者の資質や人間性による限界が生じます。

今日、ITや情報が武器になることは言うまでもありません。しかし、ITを駆使して入手した情報は、そのままでは本当の武器にはならない。武器になる情報とは、独自の先見性、ノウハウが入った情報、価値のある情報です。

NPOには幸い、使命の遂行に情熱を燃やす会員、自主性や善意のある会員、人間関係の豊富な会員など、本当の武器になる情報や知恵を持つ多才な会員が参加されています。これら多才な会員がITの持つ限界を承知の上でITを活用してこそ、社会や支援をいただくお客様から信頼を得たり、新たなお客様の創造に成果があがるものと確信します。

 


ページはここまでです。

<<このブラウザでは、左側ナビゲーションメニューを印刷致しません。>>