18 持続的成果への更なる経営努力

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NPO法人イー・エルダー

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計画通りの活動(事業)目標や成果が得られたとき、湧き上がる達成感・満足感は、まさに当事者でなければ味わえないものです。「成功した!」という思いで全身が高揚して小躍りしたくもなるし、有頂天にもなります。

ここで注意すべきは、リーダーが「成功した!」との満足感は、時として、使命(事業目的・理念)の持続的遂行という本来の前進する組織活力を削ぐことがあります。

「成功」とは、活動目標が達成できた、うまく行なった、成果が生まれたというように何かが計画通りに実現した一過性の状況を言うのではなく、ある活動目標に到達(達成)した後も引き続き、使命の具現化に向かって常に組織全体が生き生きと躍動している状態を言います。

◇活動(事業)の達成は単なる通過点

ある活動が計画通りに成果をあげたとしても、NPOの使命の具現化を図る活動はそれだけではありませんし、また、その活動が計画以上の成果を生んだとしても、それは、社会の動向や顧客ニーズ等に、創出したサービスがうまく適合したからにすぎません。もちろん、適合するように計画し遂行したから結果が出たのですが、同じことをこの先も繰り返していては、外部環境の変化に対応できなくなり、活動目標が達成できないばかりか、「組織全体が生き生きと使命の具現化に向かって活動している」という状況から遠ざかることになります。

リーダーが成功を自覚し、組織全体でその成功を確認することは必要なことですが、一時の成功は単なる通過点であることは自明です。

◇リーダーの卓越性

成功(使命の達成に成果をあげ、組織が活性化)しているNPOに共通して見られるのは、リーダーの卓越性と情熱です。どのリーダーも使命の具現化に強い意志を有し、率先して働き、ほとばしる精神でエネルギーを放出しパワーを全開しています。初期的、短期的な成功にはこのようなリーダーの情熱と強い意志は必要です。

しかし、リーダーはそれだけでは十分でなく、常に使命を確認し、長期的な視点に立った方向性や組織の活性化に心を配り、活動の数値目標の一時的な達成に自己満足しない卓越したリーダシップが必要です。リーダーの成功の自覚が万が一にも金銭、地位、権力、名誉といった自己顕示欲に陥るケースになるとすれば最悪の事態です。

◇成果の評価に、社会からの信頼度を

NPOの使命は社会的課題に対する解決策を提供しその成果を達成することです。行政や企業では解決できない分野の手間のかかるサービスの提供です。誤解を恐れずに、少し大げさな表現をすれば、社会に代わって使命を果たすという覚悟が必要です。私たちNPOが成功(使命を達成)したかどうかの自己評価を行うことは必要です。その自己評価の中に、困難ではありますが、絶えず定量的・定性的な顧客の満足度、リーダーに対する信頼度、組織や成員の士気、マスコミの評価といった「社会からの信頼度」の代用特性を表す評価を重要視すべきと考えます。

 


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