リンクレーターズ支援プロジェクト、視覚障害者が英文KBパソコンを使いこなす!

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NPO法人イー・エルダー

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2016年11月10日

このほど、20カ国29都市に展開する国際的法律事務所の一員である外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ様からご支援を受け寄贈した英文KBパソコンを活用して、視覚障害者への研修を行い、大きな成果をあげている「音声パソコン」(埼玉県越谷市、任意団体)を訪問した。

 

越谷駅から市役所通りを数分ほど歩いて行くと右手に、薄あずき色の瀟洒な5階建ての越谷市中央市民会館がある。風格のある建物なので聞くと、1992年4月にオープンしたそうである。1階の障害者福祉センター“こばと館”が「音声パソコン」の活動拠点である。

 

写真:中央市民会館。1階に障害者福祉センター“こばと館”がある。
越谷市中央市民会館。1階に障害者福祉センター“こばと館”がある。

 

代表の宗片政昭(むねかた まさあき 72才)さんは、「今回のパソコン寄贈には大変感謝している。予算がなく、従来OSはビスタ版を使っていた。インストールできないソフトウェアがあったり、PC Talkerをインストールするとパフォーマンスがガクンと落ちてしまっていた。
NPO埼玉県障害者協議会 ITサポートセンター 増田隆(ますだ たかし)さんから、リンクレーターズ寄贈プロジェクトの紹介があり、パソコンを大変安く購入でき、全て入れ替えた。しかもタイミング良くWindows/10に移行できた。アニバーサリーアップデートもインストールした。
提供を受けた視覚障害者向けのソフトウェアは全てインストールでき、PC Talkerのパフォーマンスは全く落ちず、かつW/10のもとで配信されるマイニュースを自動的に音声で流してくれる。業務事務の合理化も達成でき、こんな素晴らしいことはない!」と手放しで喜んでくれた。

 

研修は、宗片さんがリーダーとなり、スタッフとボランティア3人のサポートを受け、第2と第4木曜日の午前中に行われている。
研修生は初心者から中級者とさまざまで、パソコン技術の習得だけでなく、視覚障害者向けのソフトウェアの知識向上のためにも来られている。一人ひとりの知識レベルも、学習目的も異なるため、ほぼ1対1のマンツーマン方式の学習体制で行われている。

 

「音声パソコン」のスタートは、2005年?の自治体補正予算でIT教育が各地で実施された時に始まる。
視覚障害者へのフォローで、パソコンと視覚障害者のソフトウェア両方に詳しかった宗片さんがリーダーになり、現在に至っている。その間に何人もの方がボランティアとして来らたが長続きしないという。
現在は3名の方が研修と事務業務を手伝っている。
ボランティアのひとりに長続きしている理由を聞くと、「ここに来ると、宗片さんを始め生徒さんからいろいろと勉強になること聞くことができるので、刺激を受け楽しい時間を過ごせる。」と、おっしゃってくれた。

宗片さんは、財政的な問題が課題ではあるが、この環境の良い部屋を月2回無料で使用できるので、最低の予算で活動が継続できると満足気のご様子。

 

取材の途中で、障害者の方から宗片さんに声が掛かった。宗片さんは、自分の番だとばかり、早速「AltキーとTabキーを押しながら・・・・」とアドバイスをする。3つのウィンドウが立ち上がっていることが分からないため、確認して、必要なウィンドウに切り替える方法を教えました、と。

 

埼玉県の視覚障害者パソコン使用率は全国的に見てトップクラスだと教えてくれた。
宗片さんや埼玉県ITサポートセンターの増田さんら非常に熱心な指導者がおられるからであろうかと納得する。

 

あっという間に、2時間が経ってしまい、研修は終了。この後の予定を聞くと、宗片さんは、この後、スタッフと研修者5人を車に乗せて、全員で昼食をし、そして研修者一人ひとりを自宅にお送りするとのこと。大変なお仕事をされている。

写真:学習指導する宗片さん 写真:「音声パソコン」の研修風景
写真左は、学習指導する宗片さん。
写真右は、「音声パソコン」の研修風景

 

 


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